所得税の計算方法(仕組み)
前回、手取り年収を計算する中で、【給与所得の源泉徴収票】の『源泉徴収税額』が所得税だということを調べました。今回は、この所得税(源泉徴収税額)をどのような仕組みで決めているのか、所得税の計算方法について調べました。
また、年末調整の時の控除処理で、所得税はどれだけ下がるかも調べました。
所得税は、その名の通り所得にかかる税です。ですが、額面年収(【給与所得の源泉徴収票】の『支払総額』)全体にかかるのではありません。
まず、額面年収から必要経費にあたる「給与所得控除額」を差し引きます。額面年収から必要経費を差し引いた額が、「給与所得」(【給与所得の源泉徴収票】の『給与所得控除後の金額』)です。
さて、所得税は、給与所得全体にかかるのかと言うと、そうではありません。さらに多くの控除があります。例えば、厚生年金保険料や健康保険料などの社会保険料控除、生命保険料控除、地震保険料控除、扶養控除、配偶者控除、等々です。これら各種控除の合計が【給与所得の源泉徴収票】の『所得控除の額の合計額』です。
おさらいすると、額面年収から必要経費を引いた額が給与所得で、その額は【給与所得の源泉徴収票】の『給与所得控除後の金額』。給与所得から、さらにいろいろな控除の合計(給与所得の源泉徴収票】の『所得控除の額の合計額』)を差し引いた金額が、所得税の対象となる「課税所得」です。
所得税は、「課税所得」に税率を掛けて決定されます。
税率は、下の表です。
「課税所得」(【給与所得の源泉徴収票】の『給与所得控除後の金額』-『所得控除の額の合計額』)の額に応じた税率と控除額を使用して下の式で計算します。
所得税=「課税所得」×税率-控除額
ただし、2037年までは、さらに、東日本大震災からの復興に必要な財源として復興特別所得税がかかります。復興特別所得税は
一つの式にまとめると、
所得税=(「課税所得」×税率-控除額)× 102.1%
年末調整の時に生命保険や地震保険の控除を処理しますが、これは、【給与所得の源泉徴収票】の『所得控除の額の合計額』を増やしているということです。『所得控除の額の合計額』が増えた分「課税所得」が下がります。したがって、ざっくりと、生命保険や地震保険の控除として処理した額に、「課税所得」に応じた税率を掛けた分だけ、所得税が下がると考えればよいことがわかります。