エクセル財務関数の使い方 - 元利均等返済期首支払い
こんにちは。
前回、「元利均等返済」の「期末支払い」を例に、エクセル財務関数の使い方をまとめました。今回は、「元利均等返済」の「期首支払い」を例に、エクセル財務関数の使い方をまとめます。
返済条件
以下の条件で返済するものとします。この条件は、支払方法が「期首」か「期末」かが違うことを除いて、前回の条件と全く同じです。
借入金:10万円
返済期間:5期
1期の利率:20%
支払方法:期首返済(その期分の返済を行った後に利息が付く)
期毎の返済額
期毎の返済額は、エクセルの PMT関数で求めることができます。PMTは、PayMenT(支払金額)です。
PMT(利率,期間,現在価値,将来価値,支払期日)
= PMT(20%,5,100000,0,1)
= -27865
PMTで求める支払額は、手持ちのお金が増える場合はプラス、手持ちのお金が減る場合はマイナスで表します。ローンを返済すると手持ちのお金が減るので、返済額はマイナスになります。
返済計画
今回の条件での返済計画を表で示します。
元利均等返済なので、毎期の返済額が同じ額になっています。
今回の条件での返済計画を、グラフで示します。
期首支払いなので、まず返済を行って、その後に利息が付きます。
期毎の返済額の内訳
期毎の返済額のうち元金分は、エクセルの PPMT関数で求めることができます。PPMTは、Principal PayMenT(元金支払額)です。
例えば、第2期の支払額は
PPMT(利率,期,期間,現在価値,将来価値,支払期日)
= PPMT(20%,2,5,100000,0,1)
= -13438
です。
期毎の返済額のうち利息分は、エクセルの IPMT関数で求めることができます。IPMTは、Interest PayMenT(利息支払い額)です。
例えば、第4期の支払額は
IPMT(利率,期,期間,現在価値,将来価値,支払期日)
= PPMT(20%,4,5,100000,0,1)
= -8514
です。
返済額の元金分と利息分を表で示します。
返済額の元金分と利息分をグラフで示します。
元利均等返済なので、元金分と利息分を合わせた返済額は、毎期、同じ額になっています。返済期間の始めのうちは利息分の割合が大きく、返済が進むにつれて元金分の割合が増えていきます。
また、期首返済なので、利息が付く前に返済を行います。そのため、第1期はまだ利息が全く付いていない状態で返済を行うことになるので、第1期の返済額は丸ごと元金分の返済になります。
指定した期間の返済額の内訳
指定した期間の返済額の内訳を求める関数も用意されています。
指定した期間の返済額のうち元金分は、エクセルの CUMPRINC関数で求めることができます。CUMPRINCは、CUMulative PRINCipal(累計元金(支払額))です。
例えば、第1期から第3期までの支払額は
CUMPRINC(利率,期間,現在価値,開始期,終了期,支払期日)
= CUMPRINC(20%,5,100000,1,3,1)
= -57429
です。
指定した期間の返済額のうち利息分は、エクセルの CUMIPMT関数で求めることができます。CUMIPMTは、CUMulative Interest PayMenT(累計利息支払額)です。
例えば、第3期から第5期までの支払額は
CUMIPMT(利率,期間,現在価値,開始期,終了期,支払期日)
= CUMIPMT(20%,5,100000,3,5,1)
= -24898
です。
まとめ
今回は、「元利均等返済」の「期首支払い」を例に、エクセル財務関数の使い方をまとめました。次回は、「元金均等返済」の「期末支払い」を例に、エクセル財務関数の使い方をまとめます。