エクセル財務関数の使い方 - 元利均等返済期末支払い
こんにちは。
前回、ローン返済における「元利均等返済」と「元金均等返済」の特徴をまとめました。今回は、もっとも一般的な「元利均等返済」の「期末支払い」を例に、エクセル財務関数の使い方をまとめます。
返済条件
以下の条件で返済するものとします。
借入金:10万円
返済期間:5期
1期の利率:20%
支払方法:期末返済(その期分の利息が付いた後に返済する)
期毎の返済額
期毎の返済額は、エクセルの PMT関数で求めることができます。PMTは、PayMenT(支払金額)です。
PMT(利率,期間,現在価値,将来価値,支払期日)
= PMT(20%,5,100000,0,0)
= -33438
PMTで求める支払額は、手持ちのお金が増える場合はプラス、手持ちのお金が減る場合はマイナスで表します。ローンを返済すると手持ちのお金が減るので、返済額はマイナスになります。
返済計画
今回の条件での返済計画を表で示します。
元利均等返済なので、毎期の返済額が同じ額になっています。
今回の条件での返済計画を、グラフで示します。
期末支払いなので、まず利息が付いて、その後に返済します。
期毎の返済額の内訳
期毎の返済額のうち元金分は、エクセルの PPMT関数で求めることができます。PPMTは、Principal PayMenT(元金支払額)です。
例えば、第2期の支払額は
PPMT(利率,期,期間,現在価値,将来価値,支払期日)
= PPMT(20%,2,5,100000,0,0)
= -16126
です。
期毎の返済額のうち利息分は、エクセルの IPMT関数で求めることができます。IPMTは、Interest PayMenT(利息支払い額)です。
例えば、第4期の支払額は
IPMT(利率,期,期間,現在価値,将来価値,支払期日)
= PPMT(20%,4,5,100000,0,0)
= -10217
です。
返済額の元金分と利息分を表で示します。
返済額の元金分と利息分をグラフで示します。
元利均等返済なので、元金分と利息分を合わせた返済額は、毎期、同じ額になっています。返済期間の始めのうちは利息分の割合が大きく、返済が進むにつれて元金分の割合が増えていきます。
指定した期間の返済額の内訳
指定した期間の返済額の内訳を求める関数も用意されています。
指定した期間の返済額のうち元金分は、エクセルの CUMPRINC関数で求めることができます。CUMPRINCは、CUMulative PRINCipal(累計元金(支払額))です。
例えば、第1期から第3期までの支払額は
CUMPRINC(利率,期間,現在価値,開始期,終了期,支払期日)
= CUMPRINC(20%,5,100000,1,3,0)
= -48914
です。
指定した期間の返済額のうち利息分は、エクセルの CUMIPMT関数で求めることができます。CUMIPMTは、CUMulative Interest PayMenT(累計利息支払額)です。
例えば、第3期から第5期までの支払額は
CUMIPMT(利率,期間,現在価値,開始期,終了期,支払期日)
= CUMIPMT(20%,5,100000,3,5,0)
= -29877
です。
まとめ
今回は、「元利均等返済」の「期末支払い」を例に、エクセル財務関数の使い方をまとめました。次回は、「元利均等返済」の「期首支払い」を例に、エクセル財務関数の使い方をまとめます。