介護保険の天引き額
こんにちは。
会社員が、給与や賞与から天引きされる項目について、その額がどのように決められているのかまとめています。前回は、健康保険の天引き額がどのように決められているのか、をまとめました。今回は、介護保険の保険料の天引き額がどのように決められているのか、まとめます。
介護保険料の徴収期間
介護保険料は、「満40歳に達したとき」より徴収が始まり、「満65歳に達したとき」より徴収されなくなります。
介護保険における「満○○歳に達したとき」とは、○〇歳の誕生日の前日のことであり、その日が属する月から徴収が始まったり、徴収されなくなったりします。例えば、誕生日が7月1日の場合、誕生日の前日は6月30日のため、誕生日の前日が属する6月から徴収が始まったり、徴収されなくなったりします。
給与に対する介護保険料額の決め方
給与に対する介護保険料の決め方は、保険料率を除いて、健康保険料の決め方と全く同じです。
Step1
4月から6月の給与の平均から報酬月額を求めます。
- 報酬とは、労働の対象として支給されるもの(基本給、時間外手当、など)と、定期的に受け取るもので通常の生計に当てられるもの(家族手当、住宅手当、通勤交通費、など)です。
- 定期的に受け取るものではないため、出張旅費は報酬には含めません。
- 通常の生計に当てられるものではないため、持株会の奨励金は報酬には含めません。
- 報酬に通勤交通費が含まれるため、遠方から通勤している等の理由で通勤交通費が高い人は、その分、健康保険料も高くなります。
Step2
保険料の一覧表を参照して、報酬月額を計算しやすい単位で区分した標準報酬月額を求め、標準報酬月額に保険料率を掛けて給与からの保険料を決めます。保険料は、会社と会社員の両者が負担します。
- 保険料の一覧表は、けんぽ協会や健保組合ごとに異なります。
- 保険料率や、会社と会社員の負担割合は、けんぽ協会や健保組合ごとに異なります。
- 具体的な保険料率や負担割合は、けんぽ協会や健保組合のホームページで確認してください。
Step3
Step2で決めた額を、9月から翌年8月まで適用します。納付は、翌月になります。
- 年間(9月から翌年8月)の介護保険料を4月から6月の給与平均で決めるため、4月から6月に残業が多いなどの理由で給与が高かった場合は、年間(9月分から翌年8月分)の介護保険料が高くなります。
- 昇給や降給で標準報酬月額に2等級以上の差が生じたときは、4か月目の標準報酬月額が改定されます。
- 育児休業終了時も、改定が行われます。
- 定年再雇用時は、「同日得喪」の手続きをすることにより、定年再雇用が行われた月分の保険料から標準報酬月額が改定されます。
賞与(ボーナス)に対する介護保険料の決め方
賞与に対する介護保険料の決め方は、保険料率を除いて、健康保険料の決め方と全く同じです。
Step1
賞与(ボーナス)の1000円未満の端数を切り捨てて標準賞与額を求めます。
標準賞与には、奨励金は含めません。
Step2
標準賞与額に保険料率を掛けて賞与からの保険料を決めます。保険料は、会社と会社員の双方が負担します。
- 保険料率や、会社と会社員の負担割合は、けんぽ協会や健保組合ごとに異なります。
- 具体的な保険料率や負担割合は、けんぽ協会や健保組合のホームページで確認してください。
ポイントまとめ
- 介護保険料は、「満40歳に達したとき」より徴収が始まり、「満65歳に達したとき」より徴収されなくなります。
- 毎月の給与に対する介護保険料は4月から6月の平均給与で決めた額を9月から翌年8月まで適用するのですが、賞与(ボーナス)に対する介護保険料はその時の賞与額で決まります。
- 介護保険料は、会社と会社員の双方が負担します。
- 保険料率や会社と会社員との負担率は、けんぽ協会や健保組合ごとに異なります。けんぽ協会や健保組合のホームページで確認してください。
- 給与明細では、介護保険料と健康保険料を合わせて保険料としている場合があります。
注意事項
繰り返しになりますが、健康保険の保険料率や会社と会社員との負担率などの詳細事項は、健康保険組合や健康保険協会ごとに異なります。天引き額を計算するときは、必ず、自分が加入している健康保険組合や健康保険協会のホームページで確認してください。自分が加入している健康保険組合(健康保険協会)は、病院などで提示する健康保険証の「保険者名称」になります。