住民税の計算方法(仕組み)
源泉徴収票を受け取ったことをきっかけに、年収の額面と手取りの違いを調べて、次に所得税の計算方法を調べました。となると、次は、住民税の計算方法が気になるので、調べてみました。
住民税も、所得税と似通った計算方法になるのですが、細かいところはかなり違います。
所得税は国に納める国税ですが、住民税は都道府県と市町村に収める地方税なので、「住民税の決定通知書」は市町村が発行します。そのためでしょうか、所得税の額が記載された【給与所得の源泉徴収票】と住民税の額が記載された【給与所得等に係る市民税・県民税 特別徴収税通知書】では、使われる名称が違っており、わかりにくいことになっています。
まず認識しなければならないのが、所得税や住民税の額を決定する時期と、その対象期間です。
例えば、令和元年の所得税は、令和元年1月から毎月みなしで給与天引きされ、令和元年の年末調整か令和2年2月ごろの確定申告で精算されます。そのため、実際の給料と所得税額との関係が、大きく崩れることはありません。
それに対して、住民税は、令和元年の年末調整か令和2年2月頃の確定申告で確定する令和元年の所得に基づいて、令和2年6月から令和3年5月までの住民税を決定します。そのため、例えば、令和元年は高給取りだったが令和2年6月に転職して給料が大きく減った場合でも、令和2年6月から令和3年5月までは令和元年の所得で計算した住民税が徴収されるので注意が必要です。
次に、住民税の計算方法と、所得税の計算方法の違いです。
まず、【住民税決定通知書】の「給与収入」が、【源泉徴収票】の「支払金額」にあたり、1年間の税、社会保険料、等、込々の金額になります。そこから、必要経費にあたる「給与所得控除」を差し引いた額が、【住民税決定通知書】の「給与所得」、【源泉徴収票】の「給与所得控除後の金額」です。ここまでは、【源泉徴収票】と【住民税決定通知書】で同じ額になっていると思います。
この「給与所得」から各種控除を差し引いた額が、【住民税決定通知書】の「課税標準総所得」になるのですが、住民税における控除額と、所得税における控除額は同じでありません。つまり、会社が支払った給料に対して、住民税において課税対象となる額と所得税において課税対象になる額が異なります。
この「課税標準総所得」の約10%(自治体によって少々異なります)が、住民税として徴収されます。所得税は、課税対象となる額が大きくなると税率も大きくなる累進課税ですが、住民税は課税対象となる額にかかわらず約10%です。
もう少し詳しく見ると、市民税が6%、県民税が4%です。
さらに、課税標準所得額にかかわらず、均等割り額として、市民税3500円、県民税1500円(自治体によって多少異なります)が徴収されます。