エクセルの財務関数-つみたて投資の計画立案
こんにちは。
前回、エクセルの財務関数の概要をまとめました。今回は、つみたて投資の計画を立案する場合を例にして、エクセルの財務関数の具体的な使い方をまとめます。
つみたて期日
最初に、つみたて期日について復習します。つみたて期日には、期末と期首があります。
期末につみたてると、つみたてを行った期の分の金利は付かず、つみたてを行った期の次の期から金利が付きます。期の最終日につみたてを行うイメージです。
期首につみたてると、つみたてを行った期の分の金利も付きます。期の初日につみたてを行うイメージです。
期末つみたての例
条件
以下の条件でつみたて投資を行った場合を例に考えます。
- 利率8%で運用できる
- つみたては3期行う
- 毎期5万円ずつつみたてる
- 元金として、最初に15万円投資している
- 3期つみたてると、期待額は35万1277円になる
- 期末につみたてを行う
将来価値の推移
期末つみたてと期首つみたての違いを分かりやすくするために、一つの期における金利分とつみたて分を分けてグラフ化してみます。
エクセルの財務関数の引数
収支は、手持ちのお金が減るとマイナス、増えるとプラスと考えます。
投資すると手持ちのすぐに使えるお金が減るので、つみたて投資した現在価値や支払額はマイナスと考えます。
投資を売却すると手持ちのすぐに使えるお金が増えるので、つみたて投資を売却する将来の価値はプラスと考えます。
したがって、今回の条件をエクセルの財務関数を使う場合に当てはめると以下の表になります。
エクセルの財務関数の計算式
エクセルの財務関数を使って、今回の条件を計算してみます。
利率
元金15万円、期末に5万円ずつつみたて投資をして、3期後に35万円1277円を得るのに必要な利率は?
RATE = RATE(nper, pmt, pv, fv, type, guess)
利率 = RATE(期間, 定期支払額, 現在価値, 将来価値, 支払期日, 推定値)
なので
RATE(3,-50000,-150000,351277,0) = 8%
回数
期待できる金利が8%のつみたて投資で、元金15万円、期末に5万円ずつつみたて投資をして、35万円1277円を得ることができるのは何期後か?
Number of PERiods = NPER(rate,pmt,pv,fv,type)
期間 = NPER(利率,定期支払額,現在価値,将来価値,支払期日)
なので
NPER(8%,-50000,-150000,351277,0) = 3
支払額
期待できる金利が8%のつみたて投資で、元金15万円が用意できている。3期後に、35万円1277円を得るためには、期末にどれだけつみたてればいいのか?
PayMenTs = PMT(rate, nper, pv, fv, type)
定期支払額 = PMT(利率, 期間, 現在価値, 将来価値, 支払期日)
なので
PMT(8%,3,-150000,351277,0) = -50,000
現在価値
期待できる金利が8%のつみたて投資で、期末に5万円ずつつみたて投資をして、3期後に35万円1277円を得るためには、元金はどれだけいるか?
Present Value = PV(rate, nper, pmt, fv, type)
現在価値 = PV(利率, 期間, 定期支払額, 将来価値, 支払期日)
なので
PV(8%,3,-50000,351277,0) = -150,000
将来価値
期待できる金利が8%のつみたて投資で、元金15万円、期末に5万円ずつつみたて投資をすると、3期後に期待できる価値はいくらか?
Future Value = FV(rate,nper,pmt,pv,type)
将来価値 = FV(利率,期間内支払回数,定期支払額,現在価値,支払期日)
なので
FV(8%,3,-50000,-150000,0) = 351,277
期首つみたての例
条件
以下の条件でつみたて投資を行った場合を例に考えます。
- 利率8%で運用できる
- つみたては3期行う
- 毎期5万円ずつつみたてる
- 元金として、最初に15万円投資している
- 3期つみたてると、期待額は36万円4262円になる
- 期首につみたてを行う
将来価値の推移
期末つみたてと期首つみたての違いを分かりやすくするために、一つの期における金利分とつみたて分を分けてグラフ化してみます。
エクセルの財務関数の引数
今回の条件をエクセルの財務関数を使う場合に当てはめると以下の表になります。
エクセルの財務関数の計算式
エクセルの財務関数を使って、今回の条件を計算してみます。
利率
元金15万円、期首に5万円ずつつみたて投資をして、3期後に36万円4262円を得るのに必要な利率は?
RATE = RATE(nper, pmt, pv, fv, type, guess)
利率 = RATE(期間, 定期支払額, 現在価値, 将来価値, 支払期日, 推定値)
なので
RATE(3,-50000,-150000,364262,1) = 8%
回数
期待できる金利が8%のつみたて投資で、元金15万円、期首に5万円ずつつみたて投資をして、36万円4262円を得ることができるのは何期後か?
Number of PERiods = NPER(rate,pmt,pv,fv,type)
期間 = NPER(利率,定期支払額,現在価値,将来価値,支払期日)
なので
NPER(8%,-50000,-150000,364262,1) = 3
支払額
期待できる金利が8%のつみたて投資で、元金15万円が用意できている。3期後に、36万円4262円を得るためには、期首にどれだけつみたてればいいのか?
PayMenTs = PMT(rate, nper, pv, fv, type)
定期支払額 = PMT(利率, 期間, 現在価値, 将来価値, 支払期日)
なので
PMT(8%,3,-150000,364262,1) = -50,000
現在価値
期待できる金利が8%のつみたて投資で、期首に5万円ずつつみたて投資をして、3期後に36万円4262円を得るためには、元金はどれだけいるか?
Present Value = PV(rate, nper, pmt, fv, type)
現在価値 = PV(利率, 期間, 定期支払額, 将来価値, 支払期日)
なので
PV(8%,3,-50000,364262,1) = -150,000
将来価値
期待できる金利が8%のつみたて投資で、元金15万円、期首に5万円ずつつみたて投資をすると、3期後に期待できる価値はいくらか?
Future Value = FV(rate,nper,pmt,pv,type)
将来価値 = FV(利率,期間内支払回数,定期支払額,現在価値,支払期日)
なので
FV(8%,3,-50000,-150000,1 = 364,262
今回は、つみたて投資の計画を立案する場合を例にして、エクセルの財務関数の具体的な使い方をまとめました。次回は、老後資金の取り崩し計画を立案する場合を例にして、エクセルの財務関数の具体的な使い方をまとめます。