一括とつみたての比較(2001年~2018年)
前回、基準価額は投資を始めた日を起点に見ることになるので、同じ基準価額でも、いつ投資を始めたかによって、見え方がかなり違ってくると記しました。せっかく基準価額のイメージデータを作ったので、このデータを使って、つみたて投資した場合と一括投資した場合で評価額がどれくらい違うのか、計算してみます。
今回は、2001年に投資を始めた場合です。基準価額のイメージは下のようになります。
投資を始めた直後の2001年に日本株式が8割、先進国株式が7割程度まで下落しました。その後上昇するのですが、2007年頃に5割まで下落しました。先進国株式が2007年の額に戻るのに6年かかりました。日本株式が2006年の額に戻るのに約10年かかりました。
日本株式について、一括とつみたてを比較しました。つみたては、2001年から2018年まで毎年10000円ずつ、2018年で計18万円投資したとして計算しました。一括は、2001年に18万円投資したとして計算しました。
左側の縦軸が評価額、右側の縦軸が投資した額と評価額の比率で損益を表しています。
2018年の評価額は、一括のほうが高くなりました。損益で見ると、2001年頃の下落時は、つみたてのほうが優位だったのですが、それ以降は一括のほうが優位となりました。
次に、日本債券です。
2018年の評価額は、一括のほうが優位です。つみたてている間の損益を見ても、常に、一括のほうが優位となりました。
先進国株式です。
2018年の評価額は一括のほうが優位です。しかし、損益を見ると、2014年までずっとつみたてのほうが優位で、2015年でようやく一括のほうが優位に転じました。
最後に、先進国債券です。
2018年の評価額は、一括のほうが優位です。損益で見ても、常に、一括のほうが優位でした。
結論として、2001年時点で、2018年までつみたてを続けられるまとまった資金があった場合は、つみたて投資するよりも、2001年に一括で投資してしまったほうが優位だったということがわかりました。