一括とつみたての比較(2010年~2018年)
今回は、2010年から2018年まで9年間、毎年10000円ずつ計9万円投資した場合と、2010年に一括で9万円投資した場合で、評価額がどれくらい違うのか、計算してみます。
2010年から2018年までの、基準価額のイメージは下のようになります。
投資を開始した直後2011年に日本株式と先進国株式が下落しますが、翌2012年に回復し、その後は順調に上昇しました。先進国債券は2014年にピークとなり、その後緩やかに下降しています。日本債券は、上昇幅は小さいですが、安定しています。
まず、日本株式について、一括とつみたてを比較しました。左側の縦軸が評価額、右側の縦軸が投資金額と評価額の比率で損益を表しています。
2018年の評価額は、一括のほうが優位です。損益で見ると、基準価額が下落した2011年とその翌年はつみたてのほうが優位でしたが、2012年に逆転し、その後は差を広げています。
次に、日本債券です。
2018年の評価額は一括のほうが優位です。日本債券は非常に安定しており、上昇幅は小さいですが、順調に上昇し続けています。損益で見ると、一括のほうがつみたての倍くらいありますが、一括でも10%ちょっとなので、評価額で見ると大きな差ではありません。
次に、先進国株式です。
2018年の評価額は、一括が優位です。
損益で見ると、基準価額が下落した2011年はつみたてが優位ですが、翌2012年に同程度になり、その後は、差が開いていきます。基準価額が大きく上昇した2013年~2014年に、一括は購入口数が多いので評価額が大きく伸びましたが、つみたてはまだ購入口数が少ないので、評価額があまり伸びなかったのが、差がついた原因だと考えられます。
最後に、先進国債券です。
2018年の評価額は一括が優位です。損益を見ると、基準価額が大きく上昇した2012年~2014年に購入口数が多かった一括は評価額も大きく伸びましたが、つみたてはまだ購入口数が少ないため、その恩恵を十分に受けることができなかったことが、評価額で差がついた原因だと考えられます。
このように、基準価額が大きく上昇する局面で購入口数が小さいと、その恩恵を十分に得ることができません。投資を始めてまだつみたて額が少ないうちに、基準価額が大きく上昇するなら、つみたては不利になります。