一括とつみたての比較 まとめ
これまで、まとまった投資資金がある場合に、最初に一括で投資したほうが良いか、あえてつみたてのほうが良いかを、5つの期間で計算してきました。
- 2001年~2018年
- 2004年~2018年
- 2007年~2018年
- 2010年~2018年
- 2013年~2018年
計算に使った指数は、
の4つです。結果をまとめます。
2007年から始めた場合以外は一括のほうが優位でした。
投資信託の評価額は、
評価額 = 購入口数 × 基準価額
です。つみたてと一括の比較をしている2018年の基準価額は、言うまでもなく、つみたてでも一括でも変わりません。したがって、評価額の違いは購入口数の違いということになります。購入口数を増やすには基準価額が安い時に購入すれば良いので、つみたてと一括でどちらの評価額が高くなるかということは、つみたてと一括でどちらが安く購入できるか、ということです。
基準価額の動きを俯瞰的に見ると、2007年以外はほぼほぼ右肩上がりになっています。(前回までのブログを参照してください。)
基準価額がほぼほぼ右肩上がりということは、早い時期のほうが安い基準価額で購入できる、同じ金額分購入するなら早い時期に購入したほうが多くの口数を購入できるということです。
次に、つみたてのほうが優位となった、2007年から2018年の基準価額の動きを見てみます。
この期間の特徴は、2008年ごろのリーマンショックで基準価額が6割程度まで下落し、元の基準価額に戻るまで5年~6年かかった、という点です。2007年から2018年の11年間で試算しているので、元の基準価額に戻るまで5年~6年かかった、ということは、この5~6年の間は一括で購入した口数の年平均よりも多く購入できたということです。
上のグラフに示すように、2008年から2012年の間は、一括で購入した年平均口数よりかなり多く購入できています。
2004年から2018年の場合も、2008年頃のリーマンショックの影響を受けているはずです。それなのに何故、一括のほうが優位なのか、購入口数で見てみます。
2007年からに比べて、リーマンショックの影響が小さいことがわかります。これは、一括で購入したタイミングが異なるためです。2007年に一括で購入するとリーマンショック前の最高値で購入したことになりますが、2004年に一括で購入するとより安い基準価額で購入できます。
最後に、今回の資産で唯一リターンがマイナスになった2013年から先進国債券をつみたてた場合を見てみます。
基準価額は2013年より2018年のほうが高いので、2013年に一括購入した場合は利益が出ます。しかし、つみたてた場合は、2014年に基準価額が15%上昇したため購入口数が15%少なくなり、その後、基準価額がほぼ右肩下がりになったため購入口数は若干増えたものの、基準価額が2013年に比べて5%しか上昇していないため、購入口数の少なさが効いて、評価額がマイナスになったと考えられます。
まとまった投資資金がある場合の検討結果をまとめます。
- 基準価額がほぼほぼ右肩上がりになると予想するなら、購入口数はほぼほぼ右肩下がりになると予想していることになるので、コツコツつみたてるより投資期間の早いうちに購入してしまうほうが有利
- 基準価額が投資を始めてすぐに大きく下落し5~6年程度戻らない(リーマンショックのような値動き)と予想するなら、その期間は購入できる口数が増えるのでつみたてが有利
つまり、リーマンショック級の大暴落が近いうちに発生すると考えるか否かで、判断が分かれます。