基準価額の変動と評価額との関係(つみたて投資の場合)
基準価額の変動と評価額の関係を明確にするために、投資1年目、2年目、・・・、5年目でどう動いたか、6つのパターンで計算してみました。今回は、つみたて投資の場合です。
最初に、毎年1万円ずつつみたて投資した場合、5年目の評価額が一番高いのはどのパターンでしょうか?評価額が一番低いのはどのパターンでしょうか?
まず、パターンAの評価額を計算します。
基準価額が、10000 → 12000 → 12000 → 12000 → 12000 と動きました。
基準価額は、10000口当たりの額であるため、1口当たりの額は
1口当たりの額 = 基準価額 ÷ 10000
基準価額が10000(10000口で10000だから、1口1円)の時に1万円分購入すると10000口、基準価額が12000(10000口で12000だから、1口1.2円)の時に1万円分購入すると8333口。累計口数は
累計口数 = 10000 + 8333 + 8333 + 8333 + 8333
で、43332口です。
評価額は、その時点の購入口数に1口当たりの額を掛ければよいので
評価額 = 購入口数 ×(基準価額 ÷ 10000)
5年目の評価額は、購入口数 43332 に、基準価額 12000 ÷ 10000 = 1.2 を掛けて、51998円になりました。
次は、パターンBです。
基準価額が、10000 → 8000 → 8000 → 8000 → 8000 と動きました。
基準価額は、10000口当たりの額であるため、1口当たりの額は
1口当たりの額 = 基準価額 ÷ 10000
基準価額が10000(10000口で10000だから、1口1円)の時に1万円分購入すると10000口、基準価額が8000(10000口で8000だから、1口0.8円)の時に1万円分購入すると12500口。累計口数は
累計口数 = 10000 + 12500 + 12500 + 12500 + 12500
で、60000口です。
評価額は、その時点の購入口数に1口当たりの額を掛ければよいので
評価額 = 購入口数 ×(基準価額 ÷ 10000)
5年目の評価額は、購入口数 60000 に、基準価額 8000 ÷ 10000 = 0.8 を掛けて、48000円になりました。
次は、パターンCです。
基準価額が、10000 → 12000 → 8000 → 12000 → 8000 と動きました。
基準価額は、10000口当たりの額であるため、1口当たりの額は
1口当たりの額 = 基準価額 ÷ 10000
基準価額が10000(10000口で10000だから、1口1円)の時に1万円分購入すると10000口、基準価額が12000(10000口で12000だから、1口1.2円)の時に1万円分購入すると8333口、基準価額が8000(10000口で8000だから、1口0.8円)の時に1万円分購入すると12500口。累計口数は
累計口数 = 10000 + 8333 + 12500 + 8333 + 12500
で、51666口です。
評価額は、その時点の購入口数に1口当たりの額を掛ければよいので
評価額 = 購入口数 ×(基準価額 ÷ 10000)
5年目の評価額は、購入口数 51666 に、基準価額 8000 ÷ 10000 = 0.8 を掛けて、41333円になりました。
次は、パターンDです。
基準価額が、10000 → 8000 → 12000 → 8000 → 12000 と動きました。
基準価額は、10000口当たりの額であるため、1口当たりの額は
1口当たりの額 = 基準価額 ÷ 10000
基準価額が10000(10000口で10000だから、1口1円)の時に1万円分購入すると10000口、基準価額が8000(10000口で8000だから、1口0.8円)の時に1万円分購入すると12500口、基準価額が12000(10000口で12000だから、1口1.2円)の時に1万円分購入すると8333口。累計口数は
累計口数 = 10000 + 12500 + 8333 + 12500 + 8333
で、51666口です。
評価額は、その時点の購入口数に1口当たりの額を掛ければよいので
評価額 = 購入口数 ×(基準価額 ÷ 10000)
5年目の評価額は、購入口数 51666 に、基準価額 12000 ÷ 10000 = 1.2 を掛けて、61999円になりました。
次は、パターンEです。
基準価額が、10000 → 12000 → 12000 → 12000 → 8000 と動きました。
基準価額は、10000口当たりの額であるため、1口当たりの額は
1口当たりの額 = 基準価額 ÷ 10000
基準価額が10000(10000口で10000だから、1口1円)の時に1万円分購入すると10000口、基準価額が12000(10000口で12000だから、1口1.2円)の時に1万円分購入すると8333口、基準価額が8000(10000口で8000だから、1口0.8円)の時に1万円分購入すると12500口。累計口数は
累計口数 = 10000 + 8333 + 8333 + 8333 + 12500
で、47499口です。
評価額は、その時点の購入口数に1口当たりの額を掛ければよいので
評価額 = 購入口数 ×(基準価額 ÷ 10000)
5年目の評価額は、購入口数 47499 に、基準価額 8000 ÷ 10000 = 0.8 を掛けて、37999円になりました。
最後に、パターンFです。
基準価額が、10000 → 8000 → 8000 → 8000 → 12000 と動きました。
基準価額は、10000口当たりの額であるため、1口当たりの額は
1口当たりの額 = 基準価額 ÷ 10000
基準価額が10000(10000口で10000だから、1口1円)の時に1万円分購入すると10000口、基準価額が8000(10000口で8000だから、1口0.8円)の時に1万円分購入すると12500口、基準価額が12000(10000口で12000だから、1口1.2円)の時に1万円分購入すると8333口。累計口数は
累計口数 = 10000 + 12500 + 12500 + 12500 + 8333
で、55833口です。
評価額は、その時点の購入口数に1口当たりの額を掛ければよいので
評価額 = 購入口数 ×(基準価額 ÷ 10000)
5年目の評価額は、購入口数 55833 に、基準価額 12000 ÷ 10000 = 1.2 を掛けて、67000円になりました。
したがって、問題の答えは、
5年目の評価額が一番高いのは、パターンFで、67000円。
5年目の評価額が一番低いのは、パターンEで、37999円。
となります。
まとめます。
投資信託の評価額は
評価額 = 累計口数 × 基準価額
つみたてで購入した場合、基準価額が低いほど購入できる口数は多くなります。
この問題の場合は、
基準価額が 12000 の時は、
購入口数 = 10000円 ÷ (12000 ÷ 10000)= 8333口
基準価額が 10000 の時は、
購入口数 = 10000円 ÷ (10000 ÷ 10000)= 10000口
基準価額が 8000 の時は、
購入口数 = 10000円 ÷ (8000 ÷ 10000)= 12500口
です。
したがって、つみたてを続けている間は基準価額が低い状態が続いて、最後に基準価額が跳ね上がると、累計口数が多く基準価額が高くなるので、評価額が高くなります。
逆に、つみたてを続けている間は基準価額が高い状態が続いて、最後に基準価額が急落すると、累計口数が少なく基準価額が低くなるので、評価額が低くなります。
なので、つみたて投資を続けている間は、基準価額が下がっても、最後に基準価額が上がると信じられるのなら、「購入口数が増えた」と喜べばいいということです!!