リターンとリスクの年ごとのばらつき
以前のブログで、アセットアロケーション(資産配分)を決めるときに知りたいリターン(期待する利回り)とリスク(利回りの振れ幅)について記しました。その時は、2002年から2018年までのデータを使ったのですが、同じ期間でも開始年が異なるとどれくらいばらつくのか、試算してみました。
- 開始年を1年ずつずらしながら、期間10年分のリターンとリスクを試算すると、株式のリターンが大きくばらついている。
- 投資信託の効率を示すシャープレシオでみると、日本債券は抜群に効率がいい。ただし、リターンは1%~2%程度
- アセットアロケーション(資産配分)を決めるときリターンやリスクを検討するが、利胆やリスクは算出した期間で大きく変わるので注意が必要
日本株式、日本債券、先進国株式、先進国債券、の4つの指数について、イメージデータを使って試算しました。
まずは、基準価額の動きです。
このグラフのデータを使って、開始年を1年ずつずらしながら、期間10年分のリターンとリスクを試算しました。2001年から2010年まで、2002年から2011年まで、...、2009年から2017年まで、という具合です。
横軸をリターン、縦軸をリスクとして、8種類のデータをプロットしています。
一目瞭然ですが、同じ10年間でも、株式のリターンは大きくばらついています。それに対して、債権のリターンは株と比べると安定しており、特に日本債券は抜群の安定感です。
投資においては、小さいリスクで大きなリターンが得られれば、投資効率が良いと考えられます。このグラフでは、右下方面が、投資効率が良いエリアと言えまず。
リターンとリスクの投資効率を1つの数値で表すために、リターンをリスクで割った値がシャープレシオです。
リターンとリスクのグラフに使ったデータのシャープレシオを計算してグラフ化してみました。
日本債券が突出して、投資効率が良いことがわかります。ただし、リターンは1%~2%程度しかありません。銀行預金と比べたら、100倍くらいですが...
投資信託でアセットアロケーション(資産配分)を決めるとき、組み合わせによってリターンとリスク、シャープレシオがどう変わるか、いろいろ検討すると思います。ですが、リターンやリスクの値がどの算出した期間によって大きく変わるので、注意が必要です。