ふるさと納税の控除の考え方
こんにちは。
以前、ふるさと網税の控除額の仕組みについてまとめたのですが、所得税の求め方や住民税の天引き額についてまとめたので、今回はふるさと納税の控除の考え方についてまとめます。
ふるさと納税の控除イメージ
ふるさと納税額は、確定申告かワンストップ特例制度で控除できますが、考え方の基本は確定申告による控除です。ふるさと納税の控除は、図に示すように、所得税からの控除と、住民税からの控除(基本分)、住民税からの控除(特例分)で構成されます。
所得税からの控除
所得税からの控除は、所得税における所得控除の寄附金控除です。
課税標準(総所得金額)から寄附金控除として控除する額は、(ふるさと納税額-2000円)です。所得税額は、課税標準(総所得金額)から所得控除を差引いた課税所得に税率を掛けるので、所得税額からの控除は、(ふるさと納税額-2000円)×所得税率 になります。
所得税の税率は、課税所得の増加に応じて高くなる超過累進税率になっており、さらに、2037年までは復興特別所得税も課税されるため、基準所得税に復興特別所得税を加えた合計の税率は、下の表になります。
住民税からの控除(基本分)
住民税からの控除(基本分)は、住民税の所得割額の所得控除の寄附金控除です。
総所得金額から寄附金控除として控除する額は、(ふるさと納税額-2000円)です。住民税の所得割額は、総所得金額から所得控除を差引いた課税標準に税率を掛けるので、住民税の所得割額からの控除は、(ふるさと納税額-2000円)×住民税率 になります。
住民税の所得割は市民税(税率6%)と県民税(税率4%)からなっており、両社合わせた税率は10%です。
住民税からの控除(特例分)
(ふるさと納税額-2000円)から、所得税からの控除と住民税からの控除(基本分)を差し引いた残りが、住民税からの控除(特例分)になります。
ただし、住民税からの控除(特例分)においては、所得税からの控除の税率は、住民税の課税所得金額から人的控除差調整額を差し引いた金額で求めた所得税の税率で計算します。課税所得棋院額が、税率が変わる金額に近い場合は、注意が必要です。
住民税からの控除(特例分)は、住民税所得割額の20%までなので、これでふるさと納税の控除額の上限が決まります。
ふるさと納税の上限額の計算
ふるさと納税の上限額が確定するのは、その年の所得が確定した後なので、12月31日が終わるまで確定しません。実際にふるさと納税を行う場合の上限は、目安で決めるしかないので、ふるさと納税サイトなどのシミュレーションを使えばいいと思います。